
心にあかりを灯す「場」を
このたび、京都・西陣の歴史ある築120年を超える町家を活用し、宿泊施設・食事処・イベント(レンタル)スペースとして新たにオープンされる《はれまとひ -Halle MA to I-》様のロゴデザインを制作させていただきました。
こちらは、1日1組限定の宿泊施設を中心に、週末には食事処として営業。
また、イベントや交流の場として利用できるレンタルスペースも備えた、人と人がゆるやかにつながる場所です。
「ここで過ごしてくださった方たちに、心にあかりが灯ったような温かさを感じていただける空間にしたい」
そんなオーナー様の温かい想いから、《はれまとひ》という屋号は生まれました。
3つの言葉から生まれた《はれまとひ》
屋号の由来となっているのは、次の3つの言葉です。
ドイツ語で「広間」を意味する「Halle(ハレ)」。
日本特有の概念であり、人と人、人と空間の間に生まれる心地よい余白を表す「間(ま)」。
そして、訪れた人の心にあたたかな光を灯す「灯・陽(ひ)」。
それぞれ異なる文化や意味を持つ言葉が重なり合い、やさしく印象に残る名前が生まれました。
一方で、あえて一つの意味やイメージを限定しないという思いもお聞きしました。
- 言葉の響きから明るさやあたたかさを感じる
- 訪れたときの時間、季節や景色と重ねて異なる印象を持つ
- ここで過ごす時間を通して、自分だけの思い出を見つける
名前を受け取る人が自由にイメージを広げられる、そんな「余白」を感じる屋号だと感じました。
やわらかさと明るさを感じる、親しみのあるデザイン
ロゴデザインでは、オーナー様の思いや空間の特徴から、次のキーワードを大切にしました。
- やわらかさ
- 明るさ
- 場づくり
- コミュニティ
宿泊施設としてゆったり過ごす時間、食事を囲み会話を楽しむ時間、新たなつながりが生まれる時間。《はれまとひ》は、単に「泊まる」「食事をする」だけでなく、心にあたたかなものを持ち帰る「場」です。
そのため、ロゴも特定の用途だけを表現するのではなく、さまざまな人や時間をやさしく受け入れる、開かれた印象を目指しました。
ヒアリングでお聞きしたこと
デザインの方向性を考えるうえで、オーナー様の好きな色や暮らしの道具についてもお聞きしました。
お好みは、深緑やウォールナット材などの深く落ち着いた色合い。
また、花柄が印象的な器や、やわらかな自然の色合いを持つ洋食器、機能的で美しいキッチン用品などもお好きで、日々の暮らしを楽しみながら、器や道具を大切に使われています。
さらに、ご実家から受け継いだ古い漆器や古伊万里の鉢なども、《はれまとひ》の空間で活用される予定です。
新しいものだけでなく、長い時間を経て受け継がれてきたもの。
海外のデザインと、日本の伝統的な器。
木や植物が持つ自然のぬくもり。
そうしたさまざまな要素が調和する《はれまとひ》らしさを、やわらかさの中に落ち着きと品のあるデザインで表現しました。
ロゴから広がる、これからの《はれまとひ》様
採用されたのは、頭文字の「は」のかたちを抽象化し、雲のようでもあり日本庭園の飛び石のようでもあるシルエットにした案です。
「3つそれぞれ単体のシルエットだと違うイメージのかたちが、特定の繋がりを得たとき意味が生まれる」
という意図を込めました。

採用案です。ロゴご提案時には、ショップカードとのれんのイメージも添付。
決定したロゴをもとに、ショップカードとのれんが完成いたしました。

同じロゴですが、ショップカードは縁取りで、のれんは塗りで表現しています。
納品したばかりなのですが、なんだか不思議にしっくり馴染んでいますね。
ロゴは、単なる目印ではありません。
そこに込められた思いを伝え、訪れる人との最初の接点となる大切な存在です。
これから少しずつ形づくられていく《はれまとひ》様の歩みに寄り添いながら、ロゴをはじめとしたさまざまな制作を通じて、その魅力を伝えるお手伝いをしてまいります。